「相続のことについて色々知りたいけれど、いったい誰に相談したらいいの?」

「自分や家族に相続が発生する前に色々相談して、事前に対策をしておきたい!」

「配偶者や親に相続が発生したけれど、何から手をつけていいのか分からない…」

司法書士の高木です。相続や遺言のご相談をいただく際に、「相続のことって、誰に相談すればいいのかよくわからない」、「こんな話を司法書士に相談してもいいのかな」というお話をいただくことがあります。
福山市でも、相続の相談を受付している窓口は色々あります。しかし、どの専門家にどのような内容(不動産、相続分、遺言書、相続税など)の相談をすればよいのか、一般の方々にはわかりにくいと思います。
そのような時は、法律で守秘義務が課せられており、幅広い分野で知識のある司法書士に最初に相談するのが良いと思っています。

理由その1

「司法書士」は、法律の専門家であり、家庭裁判所での手続きや成年後見制度についても詳しい

司法書士は「くらしに役立つ身近な法律家」として、相続発生後に必要な不動産登記や遺産管理業務だけでなく、相続発生前の生前対策としての遺言書の作成や家族信託(民事信託)の利用などについてもお役に立つことができます。

相続手続きで近年問題になることが多いのは、遺産分割協議を行うにあたっての相続人の意思能力です。特にお亡くなりになられた方が高齢者であれば配偶者もご高齢であることが多く、認知症等によって判断能力が低下しているケースが少なくありません。
認知症=意思能力が無いというわけではないですが、遺産分割の内容について理解したうえで自分の意思で署名押印ができる状態にない場合は、遺産分割協議を行う前提として、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらう必要があります。
ところが、成年後見は一度開始すると基本的には本人が亡くなるまで取りやめることはできず、親族後見人の職務負担や専門職後見人への報酬支払は遺産分割協議終了後もずっと続くため、遺産分割のためだけに後見開始の申立てを行い、後々になって後悔するケースも見受けられます。
さらに、せっかく家庭裁判所に成年後見人を選任してもらっても、成年後見人は被後見人の不利益になるような協議はできないため、一般的には被後見人の法定相続分を下回る内容の協議を成立させることはできないといわれています。

このようなことがない様に、遺産分割のために成年後見制度の利用を検討している場合は、利用が適切かどうかも含めて、制度の実情をよく知る専門家に相談することが重要です。
司法書士は家庭裁判所から専門職後見人として選任される割合が最も高く(二番目は弁護士です)、成年後見制度に精通していると言えます。
相続人に判断能力が危うい方がいるなら、目先の遺産相続だけではなく、その後の生活のことも考えて司法書士へ相談されることをおすすめします。
上述のような成年後見人の選任申立て以外にも、司法書士にできることとして遺産分割調停の申立て、相続放棄の申述、遺言書の検認、特別代理人の選任申立てなどがあります。
これらは通常の民事裁判とは違い、難しい法律的な主張等をする必要はそれほどありません。しかし、きちんと書類を集めて、隙のない申立書を作成し、不備なく申し立てを行うことは必要です。そのためには手続きの存在について知っているというだけでなく、手続きの内容、流れにも精通している必要があります。
司法書士と弁護士以外はこれらの手続きについて関与することはもちろん、法律相談を受けることもできません。したがって、相続発生前、認知症対策に有効な財産管理の方法から相続発生後の各種手続まで幅広くご相談を受け、また有効なアドバイスもできる司法書士は、相続手続き全体を見渡す必要がある案内役に適しています。

不動産の名義変更のみを必要とされているお客様には不動産の名義変更のみを、そのほかの法律面や不動産の名義変更以外のサポートも必要なお客様にはフルサポートを、というようにご希望を伺い、費用面でもご検討いただいたうえで必要なサービスを選んでご依頼いただけます。



理由その2

「司法書士」は、不動産実務にも精通している

遺産の中に不動産が含まれる割合は全体の50%近くと言われており、相続を語るうえで不動産に関する知識は必要不可欠で、多くの方は不動産の相続登記が必要になります。
相続登記は弁護士も行うことはできますが、実際に中心業務として行っているのは司法書士のみであり、司法書士と弁護士以外は相談に応じることもできません。
相続財産のほとんどを不動産が占めるケースも少なくありませんが、そのような場合は「誰が」「どの不動産」を取得するのか、「共有か」「単有か」などが重要になります。
ここを間違うと、後々、親族間のトラブルの原因となったり、余計な税金を支払う羽目になることもあります。避けられるトラブルは誰だって避けたいはずです。逆にきっちり等分に分けることが難しい財産である不動産の取得者や分割方法が決まれば、他の財産の振り分けについてもスムーズに決まるでしょう。

また、司法書士は業務の性質上不動産取引に関わることが多いため、相続不動産の売却を考えている方には売却時の手続きや税金、法律上の問題点などについてもアドバイスすることが可能です。ご要望に応じて相続物件に強い不動産会社様を無償で紹介することも可能です。他の専門家に依頼した場合でも、相続登記だけは司法書士に依頼してくださいと言われます。
一方、遺産争いも相続税申告も必要がなく、不動産の名義変更のみを必要とされているお客様には不動産の名義変更のみを、そのほかの法律面や不動産の名義変更以外のサポートも必要なお客様にはフルサポートを、というようにご希望を伺い、費用面でもご検討いただいたうえで必要なサービスを選んでご依頼いただけます。このような場合は司法書士に依頼すればすべての手続きを任せられることがほとんどです。二度手間を防ぐ意味でも、まずは司法書士への相談をおすすめします。



理由その3

「司法書士」は、最後の手続まで意識した解決方法を提案できる

相続発生後に必要な手続は、期限のある手続と期限のない手続の2つに分けることができます。期限のある手続の中でも重要な手続が相続放棄と相続税の申告です。相続放棄は3か月、相続税の申告期限は10か月と決められており、期限内に申告をしないと、ペナルティを課せられたり相続税の優遇措置の適用を受けられなくなってしまいます。
このような理由から、各種相続手続の中でも、相続税の申告が必要な場合には、10か月以内に遺産分割協議を終え申告まで行うことが優先されるのです。また、相続税を納める必要がある場合でも、相続財産のほとんどが不動産で現預金が少ない場合には、相続税申告に間に合うように不動産を売却するなどして納税資金を用意する必要があります。
一方、登記については期限が定めれられておりませんので、相続登記はたくさんの相続手続の中でも最後の手続となるケースが多いです。
最後の手続ではありますが、各書類に不足や不備があると、相続登記ができません。そうなると、書類を再度取得する必要があったり、同じ書類に再度署名捺印をしてもらう必要が出てきてしまい、相続人に負担をかけ、場合によっては再度の捺印を拒否されることも考えられます。
実は、相続登記に必要な戸籍などは預貯金の解約や相続税の申告の際に必要な書類でもあります。
司法書士は、相続登記の依頼を受ければ、遺産分割協議書を作成したり、司法書士の職権で戸籍等の書類の取得を代行することもできます。
したがって、一番初めに司法書士に相談することで、効率よく書類を集めたり、法律的に間違いのない書類を作成したりすることができるのです。

また、相続発生前にご相談いただければ、遺言書の作成が必要かどうか、必要な場合は内容のアドバイスを行い、相続が「争続」になってしまわないようにご夫婦、親子、兄弟間の感情的な問題や税金面も考慮した内容の遺言書を作成することが可能です。必要に応じて税理士さん等を含めて生前に色々な問題を多角的に検討し、安心してご家族に残せる遺言書の作成に取り組み、相続税を納めるときになって残されたご家族が慌てないで済むように、事前に納税資金も用意できるような対策も可能になります。

司法書士が相続に関するご依頼をいただく場合は、インターネット検索や口コミ等のご紹介を通じてお客様から直接ご依頼をいただくパターン以外にも、不動産業者さんや相続税申告の依頼を受けた税理士さんを経由してご依頼いただくパターンがあります。
そうすると、相続案件をたくさんご紹介してくれる不動産業者さんや税理士さん、すなわち、相続案件の経験豊富な不動産業者さんや税理士さんが誰なのかが、必然的に司法書士にはわかってしまうのです。つまり、司法書士は相続手続の工程の最後にいるからこそ、一番最初に相談してもらえれば、本当に相続に強い各分野の専門家をご紹介することができるのです。

以上、少し難しいことを書きましたが、私の経験上、相続に関しては色々と聞きたいことがある方が多いので、どうせなら何でも相談できる司法書士に相談した方が得ですよ、ということです。

福山市のたかき司法書士事務所へのお問い合わせはこちら084-999-3845営業時間 9:00-18:00 (土日祝日除く)

メールは24時間受付